お見合い当日の衝撃
想像と違いすぎる相手に驚愕
お見合いという特別な場には、それなりの期待と緊張感が伴います。プロフィール写真を何度も見返し、どんな会話をしようかと準備を重ね、当日に臨む方も多いでしょう。しかし、当日待ち合わせ場所に現れた相手が、プロフィール写真とまったくの別人だったらどうでしょうか?筆者自身、30代半ばで経験した最悪のお見合いは、まさにその「別人登場」から始まりました。プロフィール写真は明るい笑顔の爽やかな女性。年齢よりも若く見え、姿勢も良く、知的な雰囲気が漂っていました。ところが実際に現れたのは、写真とは体型も雰囲気も大きく異なる人物。あまりの違いに、言葉が出ませんでした。
人は外見だけでは判断できないとは言いますが、プロフィールが実際の姿とかけ離れていると、信頼感が損なわれます。お見合いは第一印象が非常に大切な場。会う前に想像していたイメージとあまりにも乖離があると、その時点で心が閉ざされてしまうこともあるのです。
なぜ「別人」のような写真を使うのか?
ではなぜ、プロフィール写真と実物に大きな差が出るのでしょうか?その理由の一つには、「自分をよく見せたい」という心理があります。婚活市場においては、まずプロフィールが勝負。写真が魅力的であればあるほど、マッチングの可能性が高まると考える人は少なくありません。過去のベストショットを使ったり、プロのカメラマンに修正を依頼したりするのは珍しいことではないのです。
ただし、度を越えた加工や、10年以上前の写真の使用は、結果として逆効果になります。期待していた相手が目の前に現れず、代わりにまったく違う人が座っていたら、どうしても信頼できなくなります。嘘をつかれたと感じてしまうのです。写真に写る自分と現実の自分のギャップを許容できない人ほど、相手にも厳しい目を向けてしまいます。
婚活における誠実さは、こういった小さな部分から試されているのかもしれません。
会話がかみ合わず空気は最悪に
お見合い相手が別人のようだったとしても、せっかくの機会だからと気持ちを切り替えて会話に臨もうとする人もいるでしょう。筆者も最初はそうでした。「写真の印象と違いますね」とは言えないので、趣味や仕事の話など当たり障りのない話題を投げかけました。しかし、会話を進めるうちに気づいたのは、相手の話し方や内容がプロフィールに記載されたものとまったく一致していないということです。
たとえば、「読書が好き」と書かれていたのに、最近読んだ本を尋ねると「本はあまり読まないんです」と返され、「旅行が趣味」と書かれていたのに「実はあまり外に出ない」といった具合。これでは、プロフィール自体の信ぴょう性が揺らいでしまいます。もはや別人どころか、「この人は何のためにプロフィールを書いたのだろう」と不信感ばかりが膨らみました。
終始ぎこちない雰囲気のまま、お見合いは1時間も持たずに終了。帰り道、虚しさと怒りが入り混じったような感情に包まれました。誠実な出会いを求めていたからこそ、その落差は大きかったのです。
信頼の喪失と婚活の厳しさ
小さな嘘が大きな壁になる
お見合いに限らず、人と人との関係において「信頼」は最も大切な要素です。たとえ小さな嘘であっても、それが積み重なれば関係の基盤を脆くします。プロフィール写真を盛りすぎたり、経歴や趣味を誤魔化したりすることは、「自分を良く見せたい」という気持ちの表れかもしれません。しかし、それがばれたときにどう思われるかまで想像している人は少ないのではないでしょうか。
実際、筆者の経験では、相手の自己紹介に含まれる内容すら現実と違っていました。たとえば、勤務先や年収、学歴などの重要項目が微妙に違っていたのです。最初は「聞き間違いかも」と思ったものの、会話を重ねるうちに「あえて違う情報を載せていた」と確信しました。そうなると、どんなに笑顔で接してこられても、「この人は信頼できない」という感情が拭えません。
たとえ容姿や経歴が他の人より劣っていたとしても、誠実に自己開示する人のほうが、婚活では結果的に信頼されやすいのです。
結婚相談所のフォローにも限界がある
結婚相談所を通じたお見合いであれば、ある程度の身元確認はされているはずです。しかし、写真やプロフィールの内容までは、すべてを正確に保証することはできません。写真に関しては「本人提供」によるケースが多く、相談所が加工内容までは把握できていないことが一般的です。
筆者が体験した最悪のお見合いも、結婚相談所を通じたものでした。終了後に相談所へフィードバックを伝えたところ、担当者も驚き、「本人には注意します」と謝罪はしてくれました。しかし、根本的な解決にはなりません。結婚相談所もビジネスであり、多くの会員の中からマッチングを提供する立場です。一人一人の詳細まで完璧にチェックするのは現実的ではないのです。
つまり、最終的に「相手の誠実さを見抜く力」は、自分自身に委ねられているということです。
写真詐欺が招く“自爆”
プロフィール詐称は、実は詐称した本人にも大きなリスクをもたらします。写真を過剰に加工した結果、実物と会った瞬間に相手が幻滅することは当然として、自分自身も気まずさや罪悪感から心を開けなくなるのです。「どう見られているのか」と不安が募り、会話にも自信が持てなくなり、お見合いそのものを楽しめなくなってしまいます。
また、仮にそのお見合いがうまくいったとしても、今後の交際の中で「本当の自分」を出すタイミングを見失い、関係が破綻する可能性も高くなります。つまり、最初の「盛った写真」や「誤魔化し」が、すべての破綻の引き金になるわけです。
お見合いで誠実さを示す最大の方法は、ありのままの自分を提示すること。相手に本当に自分を好きになってもらうには、偽りのない姿を見せる勇気が必要です。
成功するお見合いに必要な心構え
「正直さ」が信頼を生む
お見合いで本当の意味で成功するためには、外見の印象だけでなく、人間性で信頼を得ることが重要です。その第一歩が「正直さ」です。過去の写真や加工された画像を使って一時的な好印象を得ても、実際に会った瞬間にその努力は水の泡になります。それどころか、「この人は信用できない」とマイナスからのスタートになるのです。
反対に、多少外見が地味でも、写真が実際に近く、話す内容も誠実であれば、相手は安心して心を開いてくれます。プロフィールは「自分の見せたい姿」ではなく、「今の自分の姿」を映すべきです。誠実な人ほど、出会いのチャンスを生かせるのです。
自己評価の現実化と受け入れ
お見合いでのプロフィール詐称が起きる背景には、「理想の自分像」と「現実の自分」とのギャップに対する焦りや不安が存在します。自分の外見や経歴、年齢に対するコンプレックスが強い人ほど、「少しでもよく見せたい」「相手の条件に合うようにしたい」と考えがちです。しかしその結果、現実の自分とプロフィール上の自分とのズレが生まれ、実際に会ったときにそのギャップが不信感として表れてしまうのです。
婚活では、まず「今の自分」を正しく把握することが何より大切です。自分の年齢、容姿、性格、経歴、趣味嗜好などを一度冷静に見つめ直し、無理に飾らずにそれを受け入れることがスタートラインです。そのうえで、自分に合った相手を探すほうが、結果として満足度の高い交際や結婚に繋がります。
たとえば、「若く見られたい」という願望から10年前の写真を使うのではなく、現在の自然な写真を使っても、相手が「明るくて親しみやすそう」「雰囲気が素敵」と感じれば十分に好印象を与えることができます。外見にこだわりすぎるのではなく、自分の内面の魅力を活かせるようなプロフィール作成を意識するべきです。
成功するお見合いの「本質」
多くの人が誤解しがちですが、お見合いの本質は「結婚に向けた誠実な出会いの場」であって、「短期的に気に入られるための演出」ではありません。数回のデートで終わってしまうような軽いマッチングではなく、生涯をともにするかもしれない相手との出会いだからこそ、お互いに「本当の自分」を見せ合う必要があるのです。
成功するお見合いとは、見た目だけで好かれることではなく、ありのままの自分を受け入れてもらい、相手のことも誠実に受け止められること。そのためには、無理に自分を飾ったり、相手に媚びたりする必要はありません。素直で、誠実で、自然体であること。それこそが最も強い魅力となります。
「この人なら嘘をつかない」「一緒にいて落ち着ける」と思われることが、信頼の第一歩です。そしてその信頼が、お見合いの成功、さらには結婚へと繋がっていくのです。
まとめ:プロフィール詐称がもたらすものと、本当の出会いとは
プロフィール写真と本人が別人だった――そんな経験は、婚活をしている中で一度は耳にする話かもしれません。筆者自身、そのような体験を通して強く感じたのは、「婚活は嘘をついた者が勝つ世界ではない」ということです。むしろ、真実の姿を見せた者こそが、最終的に本当のパートナーと出会える世界なのです。
見た目を盛ることや、経歴を誤魔化すことは、短期的には相手の興味を引くかもしれません。しかし、実際に会ったときにそのギャップが露呈すれば、一瞬で信頼を失います。それは相手にとっても不誠実な仕打ちですが、自分自身にとっても婚活の機会を無駄にする「自爆行為」なのです。
婚活は、「理想の相手」を追い求めるだけの場ではなく、自分自身の等身大を受け入れ、それに合った相手と出会うための場でもあります。だからこそ、自分の現実と向き合う勇気、正直であることへの覚悟が何より大切です。
結婚とは、長い時間を共に過ごすパートナーを見つけること。その関係の土台は、どこまでも「信頼」であり、嘘や誤魔化しの上には決して築けません。
プロフィールは、ありのままのあなたを映す鏡であるべきです。そして、お見合いという場は、ありのままのあなたを理解し、受け入れてくれる人との出会いを果たすための第一歩。誠実に、正直に、そして自然体で臨むことが、最終的にはもっとも「成功」への近道なのです。